『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
 ——*——



誰がメモを書いたか特定するのは難しい、西森はそう言った。


僕にはいくつか考えがあった。



西森にメモを見せた翌日の放課後、僕は一冊の本を手に、貸し出しカウンターに足を運んだ。

司書教諭の女性がバーコードを読みとり、貸し出し期限がスタンプされた栞をはさむ。

僕はカウンターにおかれたノートに、本のタイトルと今日の日付、学年と氏名を記入する。


そしてなにげないそぶりで、ノートをめくり過去の貸し出し記録に目を走らせる。



残念ながら期待していたもの、メモがはさまっていた本の貸し出し記録は見つからなかった。


ノートの表紙には「9月」というテプラが貼ってある。月ごとにノートを分けているのだろう。
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