『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
日中は、授業をサボった連中がたむろすることもあるようだ。
タバコの吸い殻や、マンガ雑誌が散らばっている。

この時間となると、さすがに誰もいない。


持参した双眼鏡を手に、腹ばいで塔屋のふちににじり寄る。
レンズが太陽に反射しないよう、角度を調節しながら、化学準備室の方向にピントを合わせる。

映画や小説に登場する殺人鬼は、悪魔的な感覚網の持ち主というのが定番だ。

永岡先生が、自分を覗きこもうとする “目” の存在に感づくかは不明だが、用心にこしたことはない。


決定的なものを期待しているわけではない。


西森の話によれば、爆弾作りには、相応の設備と材料、そしてかなりの修練が必要であるらしい。校内を爆弾の製造工場にするのは、無理があった。
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