サクセスラブを この手に
ふいに、ガクリと揺れた。

ギギギと音がして

エレベーターはスーッと下へ動いて止まった。

私は彼と目を合わせてまた不安になった。

「落ちるの?」

「いや、止まっている。」

ガツッと音がしてドアが開いた。

目の前が急に明るくなりまぶしかった。

「ワア!やった。開いたぞ!」

レスキュー隊員がエレベーターのドアをこじ開けた。

「社長!ご無事ですか?」田原が叫んだ。

「舞、大丈夫?」

私はその声の主が誰だかわかり驚いた。

「紘くん、どうしてここに?」

「ここの社員だから。よかった。ケガはない?」

「ええ、大丈夫よ。」

「君はマーケ?」社長は彼に声をかけた。

「はい、杉浦社長。マーケティング部の原田紘一です。」

「彼女を医務室へ連れて行き、休ませるように。いいね?」

「はい、わかりました。」

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