【続】恋愛のやり直し方
病室を出ると、廊下の壁にもたれて立つ立花さんがいた。



私の顔を見て一瞬目を見開き驚いた顔をする



きっと酷い顔をしているのだろう。
だけど、今はそれすらも気にしていられなかった。




「帰るか?」



私の傍まで寄り、今にも崩れ落ちそうだった私の体をしっかりと支えてくれながらかけられたその声が優しくて、一気に涙が溢れた 。




そんな私を他の人の目から隠すように自分の胸の中に引き寄せ優しく背中を撫でる立花さんの手。




この手に縋ってはいけない。と分かっていても、ズルい私の心は立花さんの手を求めてしまう。



全身を立花さんに預けるように凭れると、引き寄せた立花さんの腕に力がこもった。



息苦しいほど抱き締められている格好の私。




だけど、最後まで残った僅かな理性がその背中に手を回すことを止めた。


ダランとだらしなく下ろされた手。




そんな事に気づかない立花さんじゃない。


だけど、なにも言わず私を落ち着かせようと背中を撫で続けてくれる。
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