3つのR
ああ、と思った。なぜパーティーのお知らせ葉書でなく、電話を望む葉書なのだろうと不思議だったのだ。だけど、それで判った。結婚相手はどうやら私達と同じ大学出身者、しかも、私の元夫である平林孝太と同じ学部出身らしい。
私と友達、イコールで彼とも繋がるのだ。私達の結婚式には彼女にも参加してもらったのだった。それで、気を遣ってくれてるのだ。
私と元夫は憎みあってなどはいないが、別に円満に離婚したわけではない。それを知っているらしい千草が私達の再会を気にしているのはよく判った。
私はこっそりと苦笑を漏らす。
「ごめんね気を遣わせて。でも大丈夫よ、鉢合わせしたって別に困らないのよ」
そう言うと、ううん、それは大丈夫、と彼女の声。
『ほら、高田君覚えてるでしょ?彼に色々尽力してもらったのよ。それで、潤子には1次会に、孝太君には2次会に出てもらうのでどうだろうって思ってるの。だけど都合もあるだろうから・・・決定は出来なくて』
恐縮した。私としては本当に困らないのだ。だけれども、きっと本人達よりも周りが気を遣うのだろう。だから幹事でなく、直接本人が電話を望んだみたいだった。
周囲の友達は、結婚している子にはほとんど子供がいる。だから昼間のパーティーで母親になった人達がメイン、それで夜は男性達がメインという企画なんだそうだ。
「あの、ごめんね、私はそれでいいよ。ありがとう」
向こう側でケラケラと明るく彼女が笑う。ああ、良かった、って。急に決まったから時間がなくて、こんなことになってごめんね、そう言って。