3つのR


 ひまわりのように明るい夫と、紅葉のように静かで艶やかな高田君。賑やかな夫の隣で、とても静かに立っている高田君。

 二人は全然違うのに幼少時から友達のようだった。私には幼馴染はいない。だからいつも、羨ましく見ていた。もしかしなくても妻である私より彼に近いよね、そう思って嫉妬もしていたと思う。夫をコントロール出来る、唯一の人物だったかもしれない。

 今も、彼は元夫の近くにいるのだろうか。最後に会ったときには同じ会社の同じ営業部にいたけれど、それからどうしたのかは私は知らない。

 最後に会った時、高田君は私の家の玄関で悲しそうな顔をしていた。

『潤さん、元気で』

 そう言って、私を見ていた。夫に会うのは拒否していた私は、高田君がそれを残念に思っているのが判っていた。頼むから、孝太に会ってくれないか、彼はそう何度も言っていたから。

『私が弱かったから・・・色々、ごめんね』

 私がそう言うと静かに首を振って、帰って行ったのだ。


 ぐぐっと胸のところが痛くなった。

 だけど一度強く目を瞑ってから、私はカレンダーを見に立ち上がる。

 お祝いのパーティーだ。プレゼントも買って、それから外見を整えないと。だから・・・この日に美容院に行って・・・。

 唇を尖らせながら計画を立てていた。だから、テーブルの上でランプを光らせる携帯電話には気付かなかったのだ。


 その夜は、そのままで寝てしまった。


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