3つのR


「いいわよ、似合うわ~!前までの潤子は、落ち着いててシックでよかったけど、今はほら、なんというか・・・イノセントな明るさや脆さが見えるみたいよ!!」

 そう言うのは美穂だ。彼女はデザイナーとして2年前に独立したらしい。さっきまでは、そんな仕事命の美穂がどうやって結婚生活をうまくこなしているのか、という話題で皆で盛り上がっていたらしい。

 わいわいと話していると、幹事がマイクを握った。そして上手に進行する。パーティーを行うことになった経緯、参加してくれた人達への感謝を述べて、主役の紹介を始めた。皆が拍手をする中、スポットライトを浴びて登場した新郎新婦がドレスとタキシード姿だったので、大きな歓声が飛んだ。

 式はしてしまっていて、今日は友達とのパーティーと聞いていたからカクテルドレスかなあと話していたのだ。それが、ウェディング姿が見られるとは!私も興奮して大きく拍手をする。

 あれ、葉書で着ていたのとは違うドレスよ!そう美穂が言って、皆でへええ~とじっくり眺める。よくそんな細かいこと覚えてるなあ・・・さすが、デザイナーだわ。私はそう感心して改めて新婦の千草を見詰めた。

「今日はようこそ、本当にみんなどうもありがとう」

 そう挨拶した千草が幸せそうに微笑んだ。

「ドレス姿を誰にも見せてないから、今日くらいはって思ったのよ。夜の回では着ないから、内緒ね」

 そう言って彼女が笑うのに、皆が手を叩いて応える。

 白いマーメイドラインのウェディングドレスを着た千草は綺麗だった。その輝く笑顔に私もつい引き込まれる。

 手が痛くなるほどの拍手をして、二人が真ん中のテーブルに着いたところでレストランのスタッフ達が入ってきた。食事タイムに入るらしい。


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