ラベンダーと星空の約束
いつもより短めな朝のホームルームが終わり、
クラスメイト達は、それぞれの出場種目や応援に教室を出て行った。
私のテニス1回戦は第1試合。
これからすぐに試合が始まる。
真由と千絵梨は10時からの女子バレーで、
今は時間が空いているけど……
私の前で手を合わせ、二人は口々に言う。
「ごめんね〜。
紫の応援もしたいけど、ケントのサッカーと時間が被っちゃって…本当ゴメーン!」
「私も…男子バスケの応援しなくちゃいけないから…ごめんね?
ガンバレ紫!」
彼氏と私じゃ、やっぱりそうなるよね。
でも、それでいいんです。むしろそうして下さい!
きっと1回戦負けだし、
こんな見かけ倒しの姿の、無様な試合を見せたくないです。
◇
校舎と校庭の間の南側に、3面のテニスコートがある。
コートの周囲はぐるりとフェンスに囲まれて、
応援のギャラリー達が、フェンス越しに試合開始を待っている姿が見えた。
テニスラケットを片手にフェンスの扉を押して中に入ると、
私の名前を呼ぶ大きな声が耳に届いた。
「紫ちゃーんファイトー!
その格好、超可愛いーよー!!」
声の方を振り向くと、
柏寮のみんなが私に手を振っていた。
大声を出しているのはもちろん瑞希君で、
少し予想はしてたけど、
チアガールの衣装で、ポンポンまで持って可愛らしく飛び跳ねている。