ラベンダーと星空の約束
胡座(アグラ)をかいた膝の上に頬杖をつき、流星は呆れた顔で私を見ていた。
辺りはかなり暗くなっていたけど、
彼の瞳が真剣な色を帯びているのが見て取れた。
そこには軽い冗談を言ってる雰囲気は欠片も無くて、
人の気持ちに疎い私にだって、流星の気持ちを感じとることが出来た。
『男二人で女の子一人を取り合ったら……』
大樹の事は誤解してるけど、それってつまり…
流星が私を好き…って言う意味だよね?
あの夏の記憶は戻っていないのに…
5年前の想いは蘇っていないのに…
それでもまた私を好きになってくれたの?
今…
私に…恋してるの?
その事にやっと気づいて、言葉を失った。
無言で見つめ合う私達の周りだけ、急に静寂に包まれた。
不思議な無音の世界に入り込んだのは、ほんの一瞬だけ。
川の水音が耳に戻って来た時、震える声で流星に聞いた。
「…本気で…私を好き…?」
「やっと気づいたのかよ……
ゆかりちゃんはマジで鈍いよな。
俺、かなりアピッてたつもりだったのに、本気だと思ってくれなかったんだ」
「だって!
流星は…遊んでる女の子が沢山いるから…
私もその中の一人にしようとしているのかと…」
「違う。それは違う。
ゆかりちゃんみたいな面倒臭い女の子を、セフレにしようなんて思うわけないだろ?
言っとくけど、面倒臭いって悪口じゃないから」