ラベンダーと星空の約束
 


どうして私だと気付かないの…?

ラベンダー畑の少女だと気付かないの…?



「久しぶりだね、会いに来てくれたの?」って…

どうして言ってくれないの?




再会しても特別な感情を見せない流星…

昔の彼は私のことを『紫』と呼んでいたのに、

今は『ゆかりちゃん』と呼ぶ。



それってつまり…

彼の瞳に写っている私は、あの夏ラベンダー畑で恋をした少女ではなく……


リカちゃん同様、ただ触りたい…エッチなことをしたい…

そう思わせる手近な女の子。




流星は…

私を…覚えていなかったんだ……




 ◇


その後流星は、電話で呼び出した慶子さんの所へ行ったきり、一時間しても戻って来なかった。



色味を失った彼の部屋で、他の住人達が頻りに話し掛けてきた気がするけど……

それに何て答えたのか覚えていない。



きっと適当な返事しか出来なかったと思う。



折角みんなと仲良くなれるチャンスだったのに、
感じ悪いと思われてしまったことだろう。



頭の中は、なぜ流星があんな風に変わってしまったのか、

なぜ私を忘れてしまったのか、その疑問でいっぱいだった。



いくら考えても、答えは見つからない。


答えの出ない疑問がぐるぐると頭の中を駆け巡り、徐々に気分が悪くなってきた。



それに気付いた瑞希君が、歓迎会を中止して私を自室まで送ってくれた。



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