真琴と『ぼく』の恋愛日記
私は冷たく言い放った。
だって、なんかそういうのって違う気がする。
『ちがうの!真琴!これは、私が勝手にしたことだから!翔太に頼まれたとかじゃないよ!ちょっとおもしろがって、お節介しただけなの!ごめん、ごめん!』
千裕は必死に弁解してきたから、本当のことなんだろう。
まぁ、千裕のこういうの慣れてるから、いいんだけど。
それより……
さっきから、この『ぼくちゃん』一言もしゃべんないんだけど。
『わかった、わかった。で、香川君はなんか用があったの?』
『あっ…いや。ちぃーちゃんが昼から部活だし、森田さんと食堂行くからって、誘ってくれて…。ぼくは部活ないけど、帰ってもヒマだから、一緒に食堂行きたいなぁ…って……思いまして…。』
恐る恐る私の様子をうかがいながら、ことの経緯を話してるその姿が、なんかおもしろくて、思わず吹き出してしまった。
『ぷっ!あははははーっ!香川君って、なんかかわいいね!いいよ、一緒に食堂行こう。』
笑いの止まらない私の姿に、2人は目をまるくして見つめてきた。
私がこんなに笑うのは珍しいから…かな。