真琴と『ぼく』の恋愛日記
そうこうしているうちにHRは終わり、入学式ということもあって、授業は午前中で終わった。
かばんを持ってそそくさと教室を出て、4組へ向かった。
4組の教室の前に来ると、ちょうどHRが終わったみたいで、わぁっと一気に生徒たちが出てきた。
『あっ!森田さんだ!相変わらず、ちょーキレイだよなぁ!』
『森田さんって彼氏いんのかなぁ?』
『ばーか!お前なんかが相手されるわけねぇーだろ!』
あのー…全部聞こえてるんですけど。
ほんと、くだらないなぁ。
廊下の窓から外を眺めるフリして、2人が来るのを待った。
『真琴!お待たせ!』
千裕の声がして振り返ると、翼の姿はなく、代わりに香川君が立っていた。
『翼は?』
『さぁ?なんか、HR終わる前にトイレ行ってそのまま戻ってこなかったから、どこぞのメンズとデートでも行ったんじゃない?』
『ふーん。で、なんで香川君と千裕が一緒にいんの?』
『翔太と私、中学一緒なの。で、朝の真琴と翔太のこと、噂してる子がいて!翔太1人だと絶対真琴に話かけれないと思ったから、私がお手伝いしてあげてるってわけ!』
『なに?お手伝いって。人に手伝ってもらって、友達ってなるもんなの?なんかそういうの、ヤなんだけど。』