真琴と『ぼく』の恋愛日記



『じゃ、私そろそろ行くわ。先輩より先に行かないと、またいろいろ言われちゃうし。』



『厳しい先輩だと大変だね…。真琴、頑張って。また、終わったらグラウンド覗くよ!』



『うん。香川君、じゃね。』



『うん!部活頑張ってね!!』



精一杯手を振って真っ赤な顔しながら、満面の笑みを向けてきた。



私も軽く手をあげて、食堂を後にした。




走って部室に向かい重い扉を思いっきり開ける。



ギィーっと、いやな音がして、地面にたまった砂埃が舞った。



はぁ…。1番のり。よかった…。



狭くてうす暗い部室に入り、先輩が来る前に急いで練習着に着替えて、まだ誰もいないグラウンドに出る。



すると、遠くの方で武がランニングしているのが見えた。



時計を見ると、部活が始まるまでまだ少し時間がある。



私も一緒にランニングしよう。



グラウンドを一周まわってくるのを待って、軽く走り出して、武の横に並んだ。



『よっ!真琴!』



『なんで、1人で走ってんの?』



『ん?昨日の練習で監督に、球の早さとかスピード、コントロールは問題ないけど、スタミナがないって言われてさ!だから、部活前に走って、持久力をつけようと思って!!』



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