真琴と『ぼく』の恋愛日記


『真琴、始めるよ。』


『はい!』



パァン!というピストルの音と共に、観客席がやかましく騒ぎ立てる。



試合さながらの雰囲気。



はぁ…。集中力がきれそうなんだけど……。




でも、絶対失敗はできない。



1回でも失敗すれば、彩さんから罵声がとんでくるから。




極限まで自分自身を追い込んで、気持ちを奮い立たせた。






そして何とか15本走りきって、4人集まり軽くミーティングをして終わった。



観客席は相変わらず煩くて、武志も野球部員と騒ぎまくってる。



私は先輩達と部室に行って着替え、グラウンドに出たら千裕と香川君が近付いてきた。




『真琴!お疲れっ!相変わらずかっこよかったぁ!』



『ありがと。てか、いい加減観戦するのやめてほしいんだけど。』



そう言いながら後ろを振り返ると、野球部やサッカー部員が、みんな帰り始めてる。



『しょーがないっしょ!真琴は何やっても注目されちゃうから!ね!?』



そう言って、バシッ!と香川君の背中を思いっきり叩いた。



『いたっ!痛いよぉ、ちぃーちゃん…。』



香川君が、泣きそうな顔して私を見てきた。



……目で訴えられても。



< 18 / 34 >

この作品をシェア

pagetop