好きって気づけよ。
「こんなことしてるひまがあるんなら、家に帰って受験勉強したほうがいいですよ」
にっこりと笑顔で栗原くんがそういうと、先輩はもう1度あやまって走り去ってしまった。
それを見送ったあと、栗原くんは髪をかきあげながらため息をつく。
「こまった先輩たちだね。……って、心愛ちゃん、そんな泣かないで」
涙を流す私に視線を移した栗原くんが、肩をすくめて私の頬に手を伸ばした。
だけど「濡れてるからだめだね」とすぐに手をひっこめる。
私は涙をぬぐって、栗原くんを見上げた。
「ごめんね、栗原くんっ……。私のせいで……」
「なんで心愛ちゃんのせいなの。むしろ俺のせいじゃん?」
ぶんぶんと首をふった私は、ポケットからハンカチを出して栗原くんの頬の水滴をぬぐった。