俺と君との境界線
「はっ?彼女?」

「そう。彼女」

念のため聞き返したけどやっぱり彼女って言った

「笹原、てめぇ・・「はじめまして。田渕杏奈です」」

笹原に突っかかろうした時、その彼女が自己紹介を始めた

「あっすみません・・」

喋るタイミングが被って彼女が申し訳なさそうに謝った
そんなことより・・この人自分の名前何ていった?
確か・・“杏奈”
俺の頭はさっきから混乱してばっか

「神月・・どうした?」

さっきから唖然としてる俺を見て笹原が心配してる

「笹原・・ちょっといいか?」

そう言って笹原を俺の方に来させた

「お前の彼女って三戸瀬さんじゃねぇのかよ?」

俺はなるべく後ろにいる彼女に聞こえないように背を向けて小声で話した

「三戸瀬?何で会長が出てくるんだ?」

笹原もつられて小声で話す

「だってお前、彼女の名前が杏奈って・・」

自分で言った瞬間俺ははっとした
あーっそうか・・
杏奈は杏奈でも三戸瀬さんの事じゃねぇのか
俺の一方的な勘違いじゃん

「そうか・・会長も杏奈って名前だったな。いつも会長って呼んでるから気づかなかったよ」

しかも、気づいてなかったのかよ
恥ずかしくて自分の体が赤くなってるような感じがした
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