俺と君との境界線
「それに、お前に直接本当のことを知ってもらうことに意味があんじゃん!」

和輝は俺ににっこり笑いかける
俺もスッキリしたしまぁ、いいってことにしとこう

目の前では和輝がメニューを見てる
俺もメニューを取ると早速頼むものを決めた
注文をしたあと俺は和輝に田渕さんのことについていろいろ聞いた

あのモテる笹原が付き合う人ってどんな人なのか気になったし
同じ“杏奈”でも三戸瀬さんと性格がどう違うのかいろいろ気になった

話の途中で注文した飯が来て、俺らは食いながら喋った
田渕さんは見た目どおりおとなしいみたいだ
映画が好きらしくて二人で見たりもするらしい

「っとまぁ俺が知ってるなかじゃこんな感じ」

「はっ?そんだけかよ・・」

もっと聞けるかと思ったのに、期待外れだ

「4回ぐらいしか会ったことないのに んな詳しいことわかるかよ あっでも、三戸瀬とはあんま似てないかも・・」

和輝がニヤリと笑った
俺は少し焦った
俺ってそんな考えてること読まれやすい奴だっけ?
俺は目の前に置いてある水を飲んでとりあえず気を落ち着かせた

「なぁ、お前ちゃんと勉強するもの持ってきたか?」

「まぁ一応なっ」

そう言いながら和輝に数学の教科書を見せた
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