俺と君との境界線
和輝は俺の手から数学の教科書を取ると適当にパラパラめくってる

「そうそう俺さ~中間で3教科60以上とったら三戸瀬さんと遊ぶ約束したんだ」

和輝に向かって自慢げに話す

「へぇーよかったじゃん」

「それでさ、数学っていつ?」

「さぁ。明日じゃないってのは確か・・ってお前まさか・・」

「テストの時間割知らねぇんだ」

俺は頭を掻きながら苦笑いで言った

「じゃあ、この教科書は?」

「てきとーに持ってきた!」

言い終わった瞬間和輝は爆笑。
俺もそれにつられて大爆笑
聞きたくなくても聞こえる隣のテーブルの奴らの会話も今は俺たちの笑い声でかき消されてる

「あーははははっなんかお前らしいじゃん!」

和輝は笑いすぎて目から少し涙が出てる

「なっなぁ龍。」

和輝はなんとか笑いがおさまったけどまだ顔が笑ってる状態で俺に話しかける
なんか面白い話がでてくると思って俺は笑いながら和輝の方を見た

「何だよ?」

何だ?どんなおもしれぇ話がでてくんだ?

「帰るぞ」

さっきまで笑ってた顔を一瞬にして真剣な顔に変えて・・
俺はびっくりした
まぁ・・飯も食い終わってるからいいけど

「おい和輝!なんなんだよ急に!!」

レジに向かう和輝に後ろから声をかけた

「ほんとはここで勉強するつもりだったんだけど、お前明日ある教科のやつ持ってきてないじゃん。だから俺の家でやる」

「別に数学勉強したっていいだろ!?ってか・・ほんとに勉強する気だったのかよ・・」
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