俺と君との境界線
「だからなっ60以上とる教科だけを勉強して後は捨てるんだよ!!」

グッドの指を俺の前に突きつけて和輝は二カッと笑う
俺はなんかムカついて突きつけてる指を叩いた

「んなことしたら6教科赤点じゃねぇか!」

「いいじゃん。どうせ放課後に補習受けて小テストするだけだろ?楽勝じゃん」

「あれ結構ダリィんだよ。そんなんが6教科もあったら俺遊ぶどころじゃねぇし」

「三戸瀬とデートだって考えたら補習なんて乗り切れるだろ?」

「その3教科も60以上とれなかったらどうすんだよ!?」

「いいから!!お前はとにかく60以上目指して頑張れ!!俺も真剣に教えるから」

和輝の真剣な目に俺は推されてペンケースからシャーペンと消しゴムを取って和輝から渡された英語の教科書を開いた

「和輝・・もしかして俺が明日60以上目指すのって英語!!?」

俺の言葉に和輝は『うん』と軽く流した
俺が英語苦手だって分かってんのに何で英語を選んだんだよ?
俺の不満そうな顔を見た和輝は自分の持ってるノートで俺の頭をバシバシ叩いてきた

「英語は昨日沢田にも教えてもらっただろ?それに苦手を克服のチャンスじゃん!俺も英語は得意だし、それに三戸瀬からの高感度も上がるぜ?」

そっか・・なんかいいことばっかじゃねぇ!?
やる気になった俺は教科書を読んで(訳はできねぇけど)ひたすら問題を解いてみた

「龍が単純で良かった~」

「ん?何か言ったか?」

「いや、別になんでもないし~」

「あっそ。あっ和輝、ここわかんねぇ・・」

何か和輝が安心したような顔を見せたけどあまり気にしなかった

その後も英語だけをひたすらやってあっという間に6時になってた
長い時間家で勉強した事なかったから頭がガンガンする
俺は頭を手で押さえながら和輝や和輝の親に挨拶をして酔っ払いみたいな足取りで家に帰った


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