俺と君との境界線
朝、一応ギリギリ登校してきたけど昨日三戸瀬さんが言ってたとおり生徒会室連行はなかった
俺はそのまま教室に入るといつもはギャーギャー騒がしい教室もそこまでうるさくなくてほとんどが自分の席について勉強してたり、何人かで固まって問題の出し合いをしてた

テスト直前っていつもこんな感じだったか?

いつもと雰囲気の違う教室にただ呆然と立ち尽くしていたらいきなり何か押されて俺はよろけた
何とか近くにあった棚につかまって転ばずにすんだけど

ぜってー和輝だ!!

一発殴ってやろうと思った瞬間

「あ〜龍おはよ〜」

前からダルそうな声で挨拶しながら和輝が近づいてくる

「よぉ‥和輝」

えっ和輝?何であいつが俺の前にいるんだよ・・
じゃあ、今俺を押したのは‥?

不思議に思ってバッと後ろを振り返ったら
三戸瀬さんが申し訳なさそうな顔をして立ってた

「あっゴメン。なかなかそこから動かなかったからちょっと押したつもりが‥」

いや、結構強かったけど‥
それとも俺の体の力が抜けすぎだったとか?

「別にいいけどさ。何か用?」

「あんたが遅刻してないか見に来たんだけど‥今鞄持ってるってことは‥」

「今来たとこ〜」

能天気な声で笑顔を向けると、三戸瀬さんは呆れてため息をつきながら

「全然反省してないのね‥。あんた幼稚園生以下じゃない!?幼稚園生の方がまだお利口よ!」

またいつものトゲのある言葉が俺に浴びせられた
でも慣れたからどうってことねぇけどっ
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