俺と君との境界線
気持ちの波
「神月龍!ただいま参上!!」

廊下で和輝を見つけると後ろから勢いよく背中を叩いた。

「いってぇ~。ったく遅せぇよ!!」

和輝も仕返しと言わんばかりに俺に肩パンしてくる。

「で?相変わらずラブラブしてんの?」

俺にニヤけた顔で質問してくる和輝に対して
俺は自信満々に

「まぁな」
と答えた。

「自惚れてんねぇ~、片思いのくせに。
あまりボヤボヤしてると他の野郎に先越されるぜ?」

小馬鹿にされたうえに
妙に意味深なことを言われて
俺は少し戸惑った。

「生徒会でいったら健とかモテるし?」

さらに不安を煽らすような言葉をかけるけど、俺の頭にふと
?マークが浮かんだ。

「なぁ和輝・・」

「何?」

「健って誰だ?」

俺の言葉にありえないとでも言うような表情をしながら口を開く。

「誰って・・副会長だよ!!いるじゃん、3組の笹原健吾」

あぁと頷く。
【健吾】って言えば俺もわかる。
ったく、幼なじみだからってあだ名で言われてもわかんねぇってのに

「ふ~ん。あっでも笹原には彼女いるんだぜ!?」

「それが三戸瀬だったら?」

その言葉に俺は固まった。
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