俺と君との境界線
「あっ、おい!和輝聞けって」

俺は急に思い出した
今日、三戸瀬さんとした約束。
あいつそれ聞いたらどんな反応すっかな?

「俺さ、明日三戸瀬さんに‥」

「振られんだな・・?でも、気を落とすなよっ」

え・・なに言ってんだこいつ・・

「はっ?なんでそうなるんだよ!?」

「『俺、明日三戸瀬さんに振られる』って言いたかったんだろ?」

和輝は首を縦に振って何回も頷いてる

「大丈夫だって龍。三戸瀬以外にもいい人いるって!!」

「ばっか、ちげぇよ!!明日三戸瀬さんに勉強教えてもらうんだよ」

「何だつまんねぇの。でもよかったじゃん!」

こいつ・・ほんとに俺の事応援してんのか?
俺は疑いの目で和輝を見た。

「そんな変な目で見るなって!さっきのは冗談だよ!!」

俺の視線に気づいた和輝は苦笑い

「じゃあ、明日は邪魔すんなよ!!」

「わかったよ。お前もせいぜい好感度下げんなよ!ただでさえ遅刻しまくって好感度ないのにさっ」

和輝の言葉がいちいち胸にグサグサ刺さる・・

「お前ぜってーどうでもいいと思ってんだろ?」

「俺は本当の事言っただけじゃん。お前が自惚れないように現実見せてやってんの!」

なんか・・すげぇ説得力のある言葉で何も言い返せねぇ

「あぁサンキュー。」

「とりあえず明日はいいこと見せるんだぞ!!これあげるからさっ」

そう言って俺のトレイを上に大量のポテトをこぼした

「おいっ俺こんな食えねーって!!」

「じゃあ、家族のお土産にでもすればいいじゃん」

「誰も喜ばねぇよ!!」

その時、レジにいた店員の一人が俺を軽く睨んだことに俺らは気づかなかった


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