アイドルに恋をして
「美咲ー!いい加減起きなさい!」


大声とともに、布団をガバッとっ剥がされる。


「んー…寒い」



丸まっていた体をさらに丸める。


もう、せっかく気持ちよく寝てたのに。


うっすらと目を開けると、そこには仁王立ちした母がいた。



「…なにぃ、今日休みなんだけどー」


文句を言いながらも起きようとしない娘を見て母は怒る。



「休みだからって、もうお昼よ!ちょっと頼みごとがあるんだけど」


頼みごと?



「えーやだ。」



「まだ何も言ってないでしょ⁉︎お父さんの仕事場まで持って行ってもらい物があるの」



「えー。なんであたしなの?お母さんが行けばいいじゃん…」



「今日は、おばちゃんのとこに行くって行ってたでしょ⁈お父さん大事な書類忘れて行ったのよ。連絡したら持って来て欲しいって!」



そんな大事なもの、忘れて行くなよ…


「お母さんが、おばちゃんの家に行くついでに寄ったらいいじゃん。車でしょ?」


「反対方向でしょうが!」



…確かに。



「お母さんが行ってもいいけど、その代わりおばちゃんの家に行って掃除とご飯作って買い物行ってくれるの?」


えっ…


何それ?


掃除、ご飯、買い物…


そんなの、どっちにするか決まってるでわないか。


「わかったよ。持って行けばいいんでしょ⁉︎」







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