今昔狐物語

「うーん」と考えていると、クスリと笑って水真馳が教えてくれた。

「貴女のことですよ、蛍殿」

「え!?」

予想外もいいところ過ぎて声が裏返る。

慌てて自分の口を押さえると、始終笑顔の水真馳が突然とんでもないことを囁いた。


「私達は…狐なんです」


口を押さえておいて良かったと、蛍は本気で安堵した。

でなければ、驚きの奇声を発していたことは間違いない。


「貴女には狐の耳や尻尾が見えたでしょう?たいていの人間には見えないのですが、たまにいるんですよ。勘のよい人間がね」

「見えざるものが見える人間。それが“見鬼”だ」

「け、んき…」


(確かに獣の耳と尻尾は見えるけど……狐!?この若旦那達は三人とも化け狐!?)



 
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