今昔狐物語
「なっ!?何してるの!?」
台所についた鞠紗は驚いて、悲鳴に近い声を上げた。
なんと、修平が料理をしていたのだ。
「あ、おはよう鞠紗。顔洗っておいで」
「お、おはよう…しゅーちゃん。あ、洗うけど、さ…」
鞠紗の目は修平の行動に釘付けだった。
(しゅーちゃんが…あの、しゅーちゃんが…)
ご飯を炊いている。
彼は火加減を気にしながら汁物の用意も進める。
「も、もういいよ!後は私がやるから!ね!」
「え?でも、もうできるから、鞠紗は自分の身仕度をしてくればいいよ」
この夫の発言に、鞠紗は口をポカーンと開けた。
「しゅーちゃん…?どうしたの?あ!まさか、熱!?」
慌てて修平の額に手をやる。
だが、全く熱くない。
至って平熱だ。