今昔狐物語
「違うね…」
では何だろうか、と考えていた時、修平の顔がほんのりと赤くなった。
「や、やっぱり熱なの!?」
もう一度確かめようと額に手を伸ばす。
しかし、今度は修平に止められてしまった。
「いいよ、熱じゃないからっ…」
「違うの?」
相変わらず彼の顔は真っ赤だが。
「違う!ほら、鞠紗は自分の仕度しておいでよ」
不審には思ったものの、しぶしぶ鞠紗は顔を洗いに行った。
それからその日、鞠紗は修平の変わりっぷりにたいそう仰天することとなった。
田んぼや畑仕事をサボらずに、きちんと励む修平。
暇だからと言って鞠紗の家事を手伝う修平。
「疲れたよね、ご苦労様」と労りの言葉をかけてくる修平。
一日そんな夫を見ていた鞠紗は、夕飯の時に一つの結論を出した。
「あ、あなた!しゅーちゃんじゃないわね!」