今昔狐物語
「…………?何言ってるの?鞠紗」
「しらを切ったって無駄よ!私の知ってるしゅーちゃんはもっと極悪人なんだから!性格最悪の人で無しなのよ?あなたは今日一日良い人だったじゃない!」
「…僕は鞠紗の夫だよ」
漬物を食べながら、しれっと言ってのけた修平に、鞠紗はムッとした。
「嘘よ!しゅーちゃんは自分のこと“僕”って言わない」
「っ……!」
修平の目が一瞬、見開かれた。
「さあ、観念しなさい。あなたは誰?そして、しゅーちゃんはどこ?」
眉を吊り上げて問い詰めてくる鞠紗に、たじたじになる修平。
彼は意を決したようにキュッと目をつむると、低い声で笑い出した。
「ははっ、はははは!」
「しゅ、しゅーちゃん?」
いきなりの笑いに怯む。
鞠紗が心配そうに夫の顔を覗き込んだ時だった。