今昔狐物語
ダンッ!
突然、床に押し倒された。
「え?」
鞠紗の視界に映るものは、天井と修平の顔のみ。
「鞠紗、お前馬鹿だろ。せっかく俺が優しくしてやろうと思ったのによ」
「え…?しゅーちゃん…なの?」
「だからさっきから言ってるだろ。俺はお前の夫だ。だから…」
すると、修平は鞠紗の頬を一撫でしてから、強引に口づけてきた。
「んっ…!?」
強引。
確かに強引だ。
(なんで…?強引だけど、違うの。自分勝手な欲の押し付けじゃ、ない…)
垣間見えた支配欲の中の優しさ。
重なった唇から零れる鞠紗の吐息は、普段なら苦痛の呻きだが、今は悩ましい喘ぎに変わっていた。
「…はぁ…はあっ」
しばらくの後、解放されて呼吸を整える。
鞠紗は逃げ場はないかと、ちらちら視線を動かした。
しかし、彼女の思考など彼にはお見通しのようだ。
「逃がさない」
宣言された瞬間、始まったまぐわい。