今昔狐物語
(やっぱり、あなたは…しゅーちゃんじゃないわ…)
行為が終わった後の気怠い身体を起こしながら、鞠紗は隣にいる夫を見た。
口づけと同様、荒っぽくも優しさがあり、強引というよりも性急といった感じで求められた。
かといって、せっかちに有りがちな独りよがりの行為に溺れているわけでもなく、ちゃんと鞠紗の身体に合わせてくれた。
(気持ち…良かったの)
初めて、そう思えた。
(あなたは、誰?)
身体でも違うと感じているのに、変わらず自分の瞳には修平の顔が映っている。
信じられない。
鞠紗は修平の顔を触ってみた。
(うーん…しゅーちゃんの肌だ…)
「どうした?」
頬を触られて気になったのだろう。
修平も身体を起こし、鞠紗の頬を触った。