今昔狐物語
「しゅーちゃん…?嘘…玖羅加が、二人…?」
混乱する鞠紗に修平が駆け寄る。
「何言ってるんだ?早くこっちに来い!あいつと関わるな」
突然、修平が鞠紗の手を握った。
そのまま引っ張って家の中へと引き戻される。
「あっ、しゅーちゃん…!玖羅加っ」
鞠紗は振り返ってもう一度玖羅加を見つめた。
寂しそうに佇む彼は、二人を追おうとはしなかった。
「まさか、あいつがいたなんてな」
自分達の領域である屋内に入って、修平がホッとしたような溜息をついた。
「これでわかっただろ?俺は玖羅加じゃない。いいな?」
これにはもう鞠紗も納得せざるをえなかった。
「……うん」
戸惑いつつも、小さく彼女は頷いた。