今昔狐物語


 それから鞠紗は修平のことを玖羅加だと疑うことをやめた。

時たま本物の玖羅加が竹やぶの奥からフラリとやって来るため、夫が玖羅加なわけがないと認めるしかなかったのだ。


(でも、まだひっかかるのよ…)


相変わらず、夫の夜の営みが優しい。

おかしいおかしいと思いつつも、与えられる快楽が甘過ぎて、前みたいに抱いてくれなんて言えない。


(しゅーちゃん、本当に性格変わったのかな…?)


いきなり人は変わるものだろうか、と疑問に思いながら早一ヶ月。


それからさらに月日は流れ――ある日、鞠紗は妊娠が発覚した。




 
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