First Love
―――

一曲終わり、

ここからが本番の仕事。

彼女を俺の虜にして、

縁談にさえ結べるまでの関係。

舞踏会が行われていた宮殿を抜け出し、

夜道を彼女と手をつなぎながら抜け出した。


しかし、今日は肌寒く感じる。

令嬢も両腕を白い手で擦って、

寒いと訴えてきた。


ここは、紳士らしく女性を助けるため、

コートをさりげなく羽織らせる形にしてやる。


「ありがとうございます。」

「いえ、セレナ様のためなら。」


「リアン様…。」
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