花とミツバチ
「……」
「…、…」
上から覆いかぶさる体。頬にぽた、と落ちる水滴。
その目はこちらをじっと見つめて
「……」
「…千葉くん?」
「…、」
そっと伸ばされる手は、水滴を拭うように私の頬を撫でる。
ードキ、
そんな指先ひとつにも、また鳴る心。
「…藤田先輩、」
「…、」
そしてそのまま彼の手は、私の手を握り…かと思えば手元から写真をパッと奪った。
「…へ?」
「すみません!やっぱりこれは俺の宝物なんで!返せません!」
「……」
どこかムードがあった気もしたけれどやはり彼は無意識だったようで、写真だけを奪い返しそそくさとキッチンへと出て行った。