花とミツバチ
コロ…と転がったカップは千葉くんからのメッセージが書いてあるところが上を向いている。
その目はそれをチラリと見て、あぁと納得した。
「千葉からの差し入れ?」
「…はい」
「『がんばってください』…か。あいつは本当いい子だねぇ」
「……」
「俺と、真逆」
その言葉にキスをして、再開する行為。
本当、彼らは真逆。似ているようで、真逆だ。
手をつなぐだけで緊張する彼と、簡単に体を抱いてみせる彼。
きっとそれは想いの重さも真逆で、千葉くんの気持ちの大きさを知るほど、この人の中での自分の小ささを知る。
「…っ…」
千葉くんは真っ直ぐで、綺麗すぎて、戸惑う。
頭の中でその甘さを思い浮かべて、体は他の甘さに浸る。そんな自分が汚すぎるから。
夜のオフィスで混ざり合う、彼の匂いとカフェオレの匂い。
それは甘く甘く、ほんの少し苦い味がした。