花とミツバチ



「千葉ー、電話終わったか?」

「あ、はい。ここの取引先なんですけどー…」



歩きながらも、また何気なしに彼へと目が向いてしまう。

相変わらずの丸い瞳の横顔と、いつもより少しはねた髪。



(…寝癖?いや、セットかな?)



「…、」

「!」



すると、不意にこちらを向いた千葉くんとバチッと目が合う。瞬間ドキッ!とはねる心臓に、私は思わず逃げるようにオフィスを出た。



(目が…合ってしまった)



ダメだ、改めてああして目が合うとドキッとする…。

けどきっとこの心臓の音も、彼に対する気持ちの変化の証だと思う。



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