彼氏は11才!?
「純子さん。そういうことですから、これからお世話になります」

「ほほほほッ!!ざまぁなさい!!」


三指を付いて丁寧に頭を下げる紅ちゃんと気色の悪い高笑いをしながら負け犬共を見下げる母さん。

父さんは呑気に拍手をし、正宗は我が家に来ることになった従兄弟に嫌そうな顔をしていた。



「何で純子さんにはそんなに態度が違うワケ!?私はアンタを赤ん坊の頃から知ってるのよ!!」


「何もクソも純子さんは僕の母親になる人だ。妻の母を敬って何が悪い?」



今、何と?

妻の母て…母さんには私しか娘が居ない。
母さんを母にするには娘の私と結婚するしか無いじゃないか。


私のスッカスカの頭で整理が出来た時には既に皆の視線が注がれていた。



「姉ちゃん…11歳に手を出したのか…?」

「そんなワケあるか。私と紅ちゃんは6年間、会って無いんだよ?テレパシーでも使えってか!」



そう、私と紅ちゃんは6年前の一夏を過ごしたっきり会っていないのだ。
手紙のやりとりすら無かったのに妻だの言われる意味が分からない。


「お前、忘れたのか。6年前に僕の妻になると約束しただろ」
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