彼氏は11才!?
「6年前のことなんて覚えて無いし…もし約束したとしても子供同士の口約束でしょ?」

「そうよ!そんな約束、無いに等しいわ!!」


知子さんの言う通りだ。

子供同士の約束なんて指切り程度の可愛らしいものだろうし…そんなことで私を妻にするなんて言わないで欲しい。

これだからガキは…。


「口約束なんかじゃない。婚姻届けもある」


まさかの婚姻届け!?
そりゃ従兄弟は結婚可能だけど!!

ゴソゴソと懐を探り、紅ちゃんが一枚の神を取り出して広げた。

駆け寄る私達。


そこには汚い字で私と紅ちゃんの名が書かれ、印鑑の代わりに母印が押されていた。

母印て印鑑より効力あるじゃん!!


「あら。まだそんなの持ってたの?」

「ははは、懐かしいなぁ」

「どういうことォォォ!?」

懐かしむ母と父。
私は父さんの肩を掴み、激しく揺らした。


ガクガクガクと残像が残る程に激しく揺らす。
不自然に揺れる父さんの頭。


「待て待てぇ!!手加減しろよ!!泡吹いてんだろうがァ!!」


正宗に力づくで止められ、我に返った時には父さんは泡を吹いて白眼を剥いていた。


チッ!!この役立たずのハゲが!!


「母さん!どういうこと!?」

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