モラトリアム
次の日、友人の安否がどうしても気になり朝から電話して見ることにした。
多少、緊張しながら電話を掛ける。
友人は電話に出ると何も変わらぬ調子で話していた。
俺は安堵した。また、事故にでも合ったらたまったもんじゃない。
友人は今、大学に向かう途中で、駅近くの交差点で信号待ちしているらしい。
信号…待ち…。
本当に大丈夫か?
俺は不安が過ぎりもう一度聞いた。
ゴッ!ガッ…ギャリギャリ!!
意味不明な音が電話から聞こえて来た。
俺は焦って友人の名前を連呼するが、返事は返ってこない。
か細く聞こえて来る電話の声に耳を傾ける。
キャーッ。うわーっ‼︎
人が轢かれたぞー。
誰か救急車…。
敬太は電話を切った。
殺られた。間違いない、押したのは沙織さんだ。
そうに違いない。
あの時にもう目を付けたんだ。