モラトリアム

とりあえず、病院に行ってみないと。
敬太は急いで支度を済ませて、部屋を出ようとした。

ガチャッ。

敬太が玄関のドアノブに手を掛けようとしたと同時にドアが開いた。

え?
沙織さんが立っていた。
う…うわぁー!!
敬太は驚きの余りに転倒し、頭を打って、そのまま気絶してしまった。

それから、数時間が経ったのであろう。
俺は彼女の声で目を覚ました。

敬太君、最近、私に冷たくないかな…?
私はこんなに敬太君の事が大好きなのに。私は敬太君にだったら何されても構わない、世界中の何よりも愛してるの。
最近、冷たいのは、もしかして浮気?
浮気なんかしたら、相手は絶対に許さないんだから。
ねぇ…。私の事好き?愛してる?
聞いてる?

僕は彼女を見つめる。
頭がぼーっとする中考える。
思考がまとまらない。
頭が痛い。

なんだこれは。
僕に何をしたんだ?
好きかって?
愛してるかって?

あなたのせいよ。
こうなったのはあなたのせい…。
責任を取ってもらうわ…。
彼女の手は震えていた。
声も。

僕は彼女に…。

殺される…。

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