紅茶遊戯
「店長から早めに入れないかってさっき電話があって。矢田ちゃんの代わりに」
「そうだったんだ、ごめんね。私にはなんの連絡もなくて。知ってたら私が早く来たのに」
「いいんです、寛永さん働き過ぎだから。本当は早番も矢田ちゃん抜きで回せると思ったみたいなんですけど、今日入荷多いから忙しくて」
「矢田さん、風邪でも引いちゃったかな」
独り言みたいに私が呟くと、緒方さんは俯いた。
いつもの、明け透けなまでの元気さが今日はない。
「矢田ちゃん、昨日の帰りにバイト辞めようかなって言ってて…」
「え?それ、ほんと?」
お客さんがレジにやって来たから、私は休止中の看板をカウンターに置いて一歩下がる。
私はお客さん取り繕いの笑顔を向け、他のバイトの子が立つレジを手で指し示して誘導した。
「矢田さん、どうして?理由とか言ってた?」
耳元で囁くように聞くと、緒方さんはこくり頷く。
「昨日のクレームの電話、結構酷かったみたいで。矢田ちゃん関係ないのに傷付くこととか変ないやらしいこととかたくさん言われて、落ち込んでました」
アイツの件で。
私は大きな溜め息を吐いて、緒方さんの肩に触れた。
「寛永さん、矢田ちゃんが辞めるなんて私嫌です!可哀相です!」
それまで、今にも泣き出しそうな思い詰めた顔をしていた緒方さんの張り上げた声に、私は咄嗟に手を離した。
「ここはやっぱり、原因になった小林さんに辞めてもらった方がいいんじゃないですか?」
「そうだったんだ、ごめんね。私にはなんの連絡もなくて。知ってたら私が早く来たのに」
「いいんです、寛永さん働き過ぎだから。本当は早番も矢田ちゃん抜きで回せると思ったみたいなんですけど、今日入荷多いから忙しくて」
「矢田さん、風邪でも引いちゃったかな」
独り言みたいに私が呟くと、緒方さんは俯いた。
いつもの、明け透けなまでの元気さが今日はない。
「矢田ちゃん、昨日の帰りにバイト辞めようかなって言ってて…」
「え?それ、ほんと?」
お客さんがレジにやって来たから、私は休止中の看板をカウンターに置いて一歩下がる。
私はお客さん取り繕いの笑顔を向け、他のバイトの子が立つレジを手で指し示して誘導した。
「矢田さん、どうして?理由とか言ってた?」
耳元で囁くように聞くと、緒方さんはこくり頷く。
「昨日のクレームの電話、結構酷かったみたいで。矢田ちゃん関係ないのに傷付くこととか変ないやらしいこととかたくさん言われて、落ち込んでました」
アイツの件で。
私は大きな溜め息を吐いて、緒方さんの肩に触れた。
「寛永さん、矢田ちゃんが辞めるなんて私嫌です!可哀相です!」
それまで、今にも泣き出しそうな思い詰めた顔をしていた緒方さんの張り上げた声に、私は咄嗟に手を離した。
「ここはやっぱり、原因になった小林さんに辞めてもらった方がいいんじゃないですか?」