紅茶遊戯
食器棚からカップを二つ取り出して、カウンターの上のティーパックの束から、適当に二つ取った。
「さっき話してたのは、誤解だから。小林くんを辞めさせようなんて私、思ったこともないから」
早口でまくし立てると、キッチンの傍に立っていた小林は、ふ、と鼻で笑った。
「わかってます。寛永さんはそんなこと言わないって。それも含めて、わかってるって言ったんです」
一瞬、手が止まる。
ティーパックをよく見たら、選んだのはアールグレイだった。
再び手を動かし、開封するとカップに入れた。
ポットのお湯を注ぎ、透明の中に薄茶色が広がってゆく様子を見ながら、今日書店で立ち読みした本に書いてあった方法を試したくなった。
それはただ、スプーンでティーパックを押し潰すというもの。
「待ってね。寒いでしょ?」
スプーンを押し付けながら、小林に目をやる。
「こうすると美味しらしいよ。ただ苦味が強くなりそうな気もするけど、どうなんだろうね。ていうかアールグレイってちょっと癖あるけど小林くん、飲めるかな」
口数が多いのは、他でもない。
私、小林を部屋に連れ込むような真似をして、必死にティーパック痛めつけてなにやってんだろう。
落ち着いて考えたら、傍で私を見つめる小林の、顔を見たら。
動悸が忙しない。
なにかを意識しそうで、ヤバい。
「寛永さんーー」
「さっき話してたのは、誤解だから。小林くんを辞めさせようなんて私、思ったこともないから」
早口でまくし立てると、キッチンの傍に立っていた小林は、ふ、と鼻で笑った。
「わかってます。寛永さんはそんなこと言わないって。それも含めて、わかってるって言ったんです」
一瞬、手が止まる。
ティーパックをよく見たら、選んだのはアールグレイだった。
再び手を動かし、開封するとカップに入れた。
ポットのお湯を注ぎ、透明の中に薄茶色が広がってゆく様子を見ながら、今日書店で立ち読みした本に書いてあった方法を試したくなった。
それはただ、スプーンでティーパックを押し潰すというもの。
「待ってね。寒いでしょ?」
スプーンを押し付けながら、小林に目をやる。
「こうすると美味しらしいよ。ただ苦味が強くなりそうな気もするけど、どうなんだろうね。ていうかアールグレイってちょっと癖あるけど小林くん、飲めるかな」
口数が多いのは、他でもない。
私、小林を部屋に連れ込むような真似をして、必死にティーパック痛めつけてなにやってんだろう。
落ち着いて考えたら、傍で私を見つめる小林の、顔を見たら。
動悸が忙しない。
なにかを意識しそうで、ヤバい。
「寛永さんーー」