紅茶遊戯
その声に、私は振り向かなかった。正確に言えば違う、振り向けなかったのだ。
いつの間にかすぐ、後ろに立っていた小林に、背中から二の腕、体を丸ごと抱き締められたから。
「軽々しく、男を部屋に上げちゃダメですよ」
スプーンを持つ手から、力が抜ける。
「昨日だって。寛永さんは不安だったんでしょうけど俺は、」
「……っ」
「俺には、下心があるんです」
抱き締める力を強くした小林は鼻を利かせるように、私の肩甲骨付近に顔を埋めている。
「自分でも引くくらい俺、寛永さんのことが好きみたいだ」
それからなにがどうなって、私がストーブの前に寝かされているのか。
小林の、顔が隠れるくらい大きな黒縁の眼鏡が外されて、段々と真剣な眼差しが近付いてくる様を見つめているのか。
あたかもデジャヴのようなこの状況に至った細かな経緯は、上手く、説明出来ない。
ただ、私は寒がりで、小林の気持ちを受け入れる準備はないがそれと同時に、拒む理由も見つけられなかった。
真剣な眼差しは視界から消え、代わりに唇に柔らかい感触が与えられる。
角度を変え、侵入してきた舌先が躊躇いがちに、私の心地よさを探る。
次第にそれは深くなる。
手慣れたように小林の手は、私の服の中に入ってきて、それは程よく冷たかった。
ストーブの真ん前だから、ちょっぴり暑くて。
いつの間にかすぐ、後ろに立っていた小林に、背中から二の腕、体を丸ごと抱き締められたから。
「軽々しく、男を部屋に上げちゃダメですよ」
スプーンを持つ手から、力が抜ける。
「昨日だって。寛永さんは不安だったんでしょうけど俺は、」
「……っ」
「俺には、下心があるんです」
抱き締める力を強くした小林は鼻を利かせるように、私の肩甲骨付近に顔を埋めている。
「自分でも引くくらい俺、寛永さんのことが好きみたいだ」
それからなにがどうなって、私がストーブの前に寝かされているのか。
小林の、顔が隠れるくらい大きな黒縁の眼鏡が外されて、段々と真剣な眼差しが近付いてくる様を見つめているのか。
あたかもデジャヴのようなこの状況に至った細かな経緯は、上手く、説明出来ない。
ただ、私は寒がりで、小林の気持ちを受け入れる準備はないがそれと同時に、拒む理由も見つけられなかった。
真剣な眼差しは視界から消え、代わりに唇に柔らかい感触が与えられる。
角度を変え、侵入してきた舌先が躊躇いがちに、私の心地よさを探る。
次第にそれは深くなる。
手慣れたように小林の手は、私の服の中に入ってきて、それは程よく冷たかった。
ストーブの真ん前だから、ちょっぴり暑くて。