私は異世界の魔法使い?!
「ねぇ、なんで迷宮の森っていうの? 思ってたより可愛い森で、名前が不釣り合いな気がするんだけど」
ポップな色味のせいか、とても明るい森。
目がチカチカとしそうなくらいだ。
こんな開放的で明るい森が迷宮だとは想像つかない。
もっと薄暗い場所こそその名がふさわしい気がして。
「見た目に騙される地点で、お前はこの場から出られなくなるぞ。ここは見た目に反して治安も良くない。思った以上に危険な場所でもあるんだ。
お前みたいなヤツは気を締めておかないと出られなくなるぞ」
いちいちトゲを付けてものを言うやつだな。
第一誰のお陰でここまでひとっ飛びで来れたと思ってるんだか。
もうちょっと気遣いやら労いの言葉があってもおかしくないと思うんだけど?
「別にカイトのお世話になんてならなくても大丈夫だし! 私にはこの杖があるから」
そう言ってカイトを追い越し、森の中へと入ろうとしたその時。
「ちょっと待て!」
肩を掴まれ、私の体は大きく反転し、すっぽりとカイトの腕の中に収まった。