私は異世界の魔法使い?!

・突き動かすもの



   ◆ ◆ ◆


『実亜はいつもそうだ……』


誰……?


『いつも簡単に諦めるんだ……』


海斗?

海斗なの……?


『自分が決めたことなのに、躓けばすぐに諦めてしまうんだ』


ねぇ海斗、海斗なんでしょ?

……答えてよ。



『ーー昔から実亜のそういうところが……嫌いだ』



そう言って海斗は私に背を向けた。


待って、待ってよ海斗。

行かないでよ。



『実亜……お前はどちらの世界を守りたいんだ?』


振り返ると、そこにいたのはカイト。

静かな様子で黒い瞳がじっと私を見据える。

その瞳は私の心の中を探ろうとしているように、私の心の中に突き刺さる。


どちらの世界を守りたい?


『お前は所詮、ソーサリーの住人ではないということか。だからこちらの世界の事など、本当はどうでもいいのだろう?』


そんな事ない!

そんな風に思ってない!


だって私は……。




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