キミが泣くまで、そばにいる
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すれ違う生徒たちの笑顔が、眩しい。
まるで校舎全体が、来たる夏休みを全力で歓迎しているみたいだ。
教室に向かって廊下を歩いていたら、「チーコ」と呼び止められた。
「なんだお前、とぼとぼ歩いて」
となりに並び立った男前な男子生徒が、ニカッと八重歯をのぞかせる。
「トワくん、ご機嫌だね」
「ったりめーだろ。明日から学校来なくていいんだぞ」
鼻歌をうたう彼は、アカツキやセイと違って女の子をぞろぞろと引き連れて歩かない。
微笑み王子と違って平気で「うぜー」とか「寄るな」とか言うし、セイみたいにとにかく女の子が好きという感じでもなく、どちらかというと男同士でつるんでいたいタイプらしい。
「夏休み、セイたちと遊んだりするの?」
「さあ。べつに約束はしてねーけど、テキトーに集まったりするんじゃん?」
そう言って、トワくん私を見る。
「チーコも来いよ。つか、カラオケ行こうぜ。インフォの曲分かるの、お前しかいねーんだもん」