キミが泣くまで、そばにいる
廊下はがらんとしている。
グラウンドのほうから聞こえる各運動部員のかけ声と、セミの声だけ。
もうずいぶん前から半袖を着て、強い日差しを浴びながら過ごしてきたのに、不思議なことに、今改めて思った。
夏だ。
「知紗、帰ろう」
大きな手が、差し出される。
半袖シャツからのぞいた白い腕。
アカツキって、あんまり焼けないタイプなのかなと思って見ていると、「ぷはっ」と吹き出す音がした。
「そんなじっくり見てないでさ」
白い歯を見せて笑いながら、アカツキは私の手を取る。
「手をつなごうって意味だよ」
ひんやりした指の感触と、崩れた表情に、一気に顔が火照った。