Tea Time

店に入ると、大きな観覧車が目に飛び込んでくる。

そして、さらに目を輝かせている彼女。

予想通りの反応を見せる彼女に、笑いをかみ殺して、メニューを選ぶ。


「ここは、古川さんの行きつけのお店なんですか?」


彼女は九割以上が敬語だ。
仕事以外の場でも、あまりくだけたりはしない。


「前に一度、このビルに来て景色が気に入ったんです」


そう答えると、彼女がさらに微笑んだ。


「本当にきれい」
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