先生の「特別」にしてくださいっ!
「彩音さん…やっと見つけました。
帰りますよ?」

「嫌だ。
だから、なんであんた、ここにいんの?」


彩音の視線の先にいたのは、
黒髪でメガネを掛けた真面目そうな人。

会話の流れからすると、
なにやら、彩音を迎えに来たらしい。

「何かあってからじゃ遅いんです!」

「ちっ…私が平気っつってんだから、
平気なの!」

「ダーメーでーすっ!」

「あのー…
全然、状況がつかめないんですけど?」

完全に置いていかれてる雪乃と私。

「彩音さん、もしかして
お友達に何も話してないんですか?」

「はあ…話すわけないでしょ?
バカじゃないの?」

だから、何なんだよ。

「……こいつは私の主治医で、
病院から私を探しに来たの!」

「へ?病院?」

「…話す気なかったんだけどね、
私、今、入院してんの。」
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