先生の「特別」にしてくださいっ!
ふとした時に、先生の事、
無意識に思い出すのやめよう。

と思っても、思い出してしまうものは
仕方がなくて。

それどころか、
日に日に寂しさが増していって…


正直、期待してなかったわけじゃない。
少しは、期待してた。

私が出て行ったことで、
先生は学校で私の事
気にかけてくれたりするんじゃないかって

実家帰ってどうしてるかー?ぐらい、
個人的に聞いてくれるんじゃないかって。

そんなずる賢いことを
心の端っこで、ちょっとは考えていた。


だけど…

「せんせー、文化祭、
うちらのライブ、絶対来てください!」
「おう!もちろん!」

先生、あの子たちのライブ行くんだ…
私の出るミュージカルとか、
喫茶店は来てくれないかな?

…来てくれないよね。
先生、私に興味ないもんね。


先生は何も変わらない。

私との日々などなかったかのように。

これまでと何ら変わりなく。

生徒たちに笑顔を振りまいている。


先生にとっては
同じアパートに住んでるのが、
私じゃなくても別に良かった。

先生には最初っから、
私なんて必要なかった。

私なんて

どうでもよかったんだ。


改めてそう思わされて、
胸がキュッと悲しくなった。
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