LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
心踊るデートとは程遠く、ぎこちない二人。
電車に乗るときも、電車を降りて歩くときも、お参りするために神社で並んでいるときも…
何を話して良いのか完全に解らなくなっていたふたりは、ただ隣に並んでいるだけの他人にしか見られていなかったであろう。それくらい、二人の間の空気は冷めていた。
早く待ち合わせたにもかかわらず、神社はお参りする人であふれ返っていた。すでに鳥居の前まで人が並んでいるのを見て、深空は少しげんなりしていた。しかし雄二に悟られまいと、黙ってその列の後ろに並ぶ。ふたりはひたすら順番を待っていた。
何とかお参りを済ませ、たくさんの屋台が出ている広場に出ると、辺りに漂う香ばしいソースの薫りが深空の鼻をくすぐった。
「いい匂い」
深空の顔に自然と笑顔が浮かんでいた。
「…なんか、食べようか?」
同じように、幸せそうな笑みを浮かべている雄二が提案すると、深空は満面の笑みでうなずいた。
「何にする?」
並んでいる屋台を回りながら、どの店で何を買おうか迷う深空。
タコ焼き、焼きそば、チョコバナナ…
わた飴、りんご飴、広島焼き…
二人であれこれ言いながら屋台を選び、深空は焼きそばに決めた。そして人の波を縫って、空いている石段を陣取ると、ふたり並んで腰を下ろした。
電車に乗るときも、電車を降りて歩くときも、お参りするために神社で並んでいるときも…
何を話して良いのか完全に解らなくなっていたふたりは、ただ隣に並んでいるだけの他人にしか見られていなかったであろう。それくらい、二人の間の空気は冷めていた。
早く待ち合わせたにもかかわらず、神社はお参りする人であふれ返っていた。すでに鳥居の前まで人が並んでいるのを見て、深空は少しげんなりしていた。しかし雄二に悟られまいと、黙ってその列の後ろに並ぶ。ふたりはひたすら順番を待っていた。
何とかお参りを済ませ、たくさんの屋台が出ている広場に出ると、辺りに漂う香ばしいソースの薫りが深空の鼻をくすぐった。
「いい匂い」
深空の顔に自然と笑顔が浮かんでいた。
「…なんか、食べようか?」
同じように、幸せそうな笑みを浮かべている雄二が提案すると、深空は満面の笑みでうなずいた。
「何にする?」
並んでいる屋台を回りながら、どの店で何を買おうか迷う深空。
タコ焼き、焼きそば、チョコバナナ…
わた飴、りんご飴、広島焼き…
二人であれこれ言いながら屋台を選び、深空は焼きそばに決めた。そして人の波を縫って、空いている石段を陣取ると、ふたり並んで腰を下ろした。